●「ゆるアート」特設サイト https://yuruart.com/

「自分にはアートの才能なんてない」なんて思っているあなたへ。

もしかしたらその作品は、コンセプトや作品名を変えたり、照明の当て方や展示方法を工夫したり、あるいは評価軸そのものを変えることで、輝きを放つかもしれません。

世界ゆるアート協会は、「世界中の人を、アーティストに」を合言葉に、あらゆる人のアート性が花開くお手伝いをします。特に障害のある子どもたちの才能を、企業や社会と接続していきます。

「BLUE×3」

小さなキャンバスとブルーを3色選んだ日。「ん、ん!」と小指で絵の具を落とす場所を指示し、もちょもちょ指を動かしてキャンバスの上で直接色を混ぜていく。出来上がった作品は、まるで彼女が何度も訪れて大好きな場所、宮古島の海のよう。ただ、彼女が何を想って描いたかは、謎。正解は、ない。見た人が自由に感じて、周りとのコミュニケーションを自然と生み出すマコアート。

●作者について
2010年3月生まれ。松戸特別支援学校 中学部。 先天性の脳&筋肉の疾患があり、知的と身体に障害がある。 性格は、陽キャ100%。固定観念ほぼゼロ。自己主張激しめ。 好きなものは、ディズニーとじじ(祖父)。 MACOのやる気スイッチが入ったときがアートの時間。それが夕飯直前だろうが関係ない。 本人はキャンバスの上で絵の具で遊ぶのが好きなだけで完成した作品には全く興味がない。 彼女の一番のファンである母親が、『macoart(マコアート)』としてSNSなどで発信中。

「ガタンゴトン!」

作者のJSは、元々粘土のようにベタベタした物に触れるのは苦手だった。しかし、その日は違った。そう、粘土を指先ではなく、手のひらの下、手根部で叩くことで、粘土を触り続けることができることを知ったのだ。大好きな電車の「ガタンゴトン、ガタンゴトン!」のリズムで、粘土を叩く!叩く!叩く!粘土が平らになる、剥がす、重ねる。次は何線だろう?「ガタンゴトン、ガタンゴトン!」。まだまだ走るまだ走る。一体どれだけの電車を走らせるんだ!苦手な物と好きな物の融合、混沌。完成した作品には電車の音が積み重なっていた。

●作者について
2013年生まれ。先天的に全盲。ASDでもある。毎日チョコベビーを2個ずつ食べるストイックな生活を5年以上継続中。バスや電車など乗り物に目がなく、いつ・どの乗り物に乗ったかを詳細に記憶している。最近のお気に入りは東急バス五反田行き。

「夏休み」

小さい頃、トムとジェリーが好きだった。最初は自分が描けないから、両親に描いて!とお願いしていた。けれども、両親の絵を見て「あんまり上手じゃないな」と思い、自分で描くようになった。そこからオリジナルキャラクターマウスくんが誕生した。細部まで描き込み、愛や葛藤、喜びや悲しみの声を正直に描き続ける彼女の作品に、多くの人が心を打たれる。描き続けているマウスくんは彼女の想いと共に年々変化し続けている。

●作者について
特別支援学校高等部3年生。女性。好きなことは絵を描くこと。小4の頃から描いている。普段も家で絵を描いている時間が多い。その他は好きなアーティストの動画をYouTubeで聴いたり、その曲でドラムを叩いたり。好きな作家さんのグッズを買いに行くことが最近の楽しみ。

「ちょっと考えて!信号機」

作家の島田健司が好きなモチーフの1つ、「カラフルな円」を描いた作品。さてこれは一体何だろうか。信号だろうか。だとすれば円が4つあるのはどういうことなのか。見る人を迷わせ、考えさせる彼の作品は多くの人を虜にする。

●作者について
藤井寺支援学校卒。CHARGE症候群。絵具での作品は大小問わず15分ほどで描きあげる。自分の好きな世界観を自分の好きなタイミングで創作する。最近はオリンピック、パラリンピック、サッカーなどがお気に入り。

「雑な完成」

ドン・ドン・ドンと色を重ねに重ね続け3ヶ月。絵が完成した時に板から絵を外すのだが、作家の小原和真は紙を破るのも好きな為「さぁ破ろう!」とする寸前でスタッフが止めに入り、完成となった作品。彼が描く作品の中でも特に小さい作品である。

●作者について
大阪府立光陽支援学校卒業。脳原性上肢障がい、脳原性移動障がい。絵具をつけたグローブの棒を振り回し、リズムをとりながら力いっぱい絵に叩きつけるスタイル。抽象画を得意とし、作品を観る者に元気を与える。歌い、笑い、叩きつけ、破り、転がし、今日もあふれるエネルギーを絵に込める。アウェイは苦手。